2×4プレカット
2×4マルチアングルカットマシンとしてフンデガーSCシリーズ(旧称H2)の第一号機が国内に導入されたのが2006年。それまでは、今では当たり前となった垂木のバードマウスや軒先加工、配管用の穴あけ加工や勾配の緩い屋根の妻壁の鋭角カット、材料配置を行う為の罫書き線を描けるなどのCAD/CAM連動するCNCカットマシンは存在しませんでした。ネットイーグル社のXF24やキャリアネット社のPS/5、欧州仕込みのhsbcadらの2×4CADの開発、導入が進む時期と重なって、そこから約10年に渡り、高速クロスカット機、高性能墨付け機、合板加工機、フレーミングマシン、シージングマシンといった機械が発展し、2×4コンポーネント会社にも一気にCAD/CAMの流れが加速していった時代と言えます。
近年ではやはり少子高齢化の影響を受けて住宅着工数は減少する見込みの中、非住宅・中大規模木造をターゲットにする2×4コンポーネント会社も出てきました。2×4工法を売りにしてきた住宅メーカーも、従来の典型的な2×4工法では差別化が難しくなり、躯体の部分に軸組工法の要素をプラスしたり、同じパネル材として親和性も高いCLTパネルのような新しい素材の活用も視野に入れていると聞きます。
最新の2×4プレカット向けフンデガーのラインナップは、従来から得意とするマルチアングルカットソーに加えて、軸組工法や特殊加工対応機にもなる兼用機「ロボットドライブ」を用意。薄型CLTやDSP、LVLなどのパネルも加工出来る合板加工機や、工場内のカットを一元化して省人化と生産効率、歩留まりを高めるトラスリンクなどで、これからの2×4コンポーネント会社を支えていきたいと考えています。
製品紹介
羽柄材加工機ターボドライブ
高速マルチアングルカットに特化した機械として定評のあった羽柄材加工機H2/H3シリーズの生産性を更に高めるべく開発されたのが、このターボドライブです。180度(水平)まで傾斜する丸鋸ユニットを中心に、材料を動かしながら加工軸を制御することで、通常加工出来ない鋭角のカットも可能にしています。また、油圧レスシステムを採用することで、信頼性が大きく向上しました。加工エリアの最小化で、省スペース化、加工精度向上、生産性アップに貢献しています。普通の羽柄加工機では不十分な方にプラスアルファの自在性を提供します。
構造材加工機ロボットドライブ
独立した丸鋸ユニットを持つことで、マルチアングルカットソーとしての機能を満たしつつ、在来軸組工法の継手仕口や金物工法の加工も可能としている機械です。6軸制御のロボットアームですべての面の加工が材料の反転なく加工可能で、最大18種類の刃物を装備出来るので、ほとんどの加工が刃物交換なしで加工完了します。多種多様な金物工法への対応も機械の改造等なしで、必要な刃物を揃えるだけで対応出来るのも特徴です。比較的コンパクトなスペースで設置出来るので、狭い建屋でも機械を入れることをあきらめなくて良いかもしれません。
合板加工機SPM-2
基本的には構造用合板加工機として開発された機械ですが、特徴的なのはその加工のバリエーション。
1,300 x 3,200mmを標準としオプションで2,800 x 8,000mmまでのサイズまで対応可能としており、厚みは5mm~120mmまで加工出来ます。合板の搬入方法も、バキューム方式と掻き入れ方式が選択出来ることで、材質に応じたハンドリングを実現しています。薄型CLTの加工にも対応しており、5軸制御の丸鋸ユニットやルーターユニットを装備すれば、屋根勾配に応じた角度カットも可能となります。
全自動搬入&搬出システムトラスリンク
高速マルチアングルカットソーであるターボドライブを2台向かい合わせで並べて自動投入、自動搬出するシステムをカスタマイズで作れるのがこのトラスリンク。壁パネル用の部材、床パネル用の部材、屋根パネル用の部材など、後工程で必要なパネル番号ごとの部材を最適な歩留まりでジャストカットし、後工程のパネル組立作業台まで持っていくことが出来ます。
長さや断面の違う材料が置かれたラックから必要な材料を自動的にピックアップし、カット、墨付け、印字、搬送を一元化してコントロール。部材の種類ごとに別の機械と人を用意する必要がなくなるフンデガーからの新しい提案です。