PURPOSE目的・用途

CLTプレカット

CLTプレカット

オーストリアで産声をあげたCLT (Cross Laminated Timber)は、欧州域内でも十数年の年月をかけて徐々にその有用性が認知されていきました。小規模工場で始めた先駆者達も、次々とその生産能力を増強し、今では大規模CLT生産工場を複数持ってCLTの需要増に対応しています。

欧州でも当初は大工さんの手加工でも間に合う程度の内容しかなかったCLTパネルの加工も、住宅・非住宅を問わず使われ始めたことにより、様々な加工要件が発生し、それらに対応する必要性が出てきました。既に超大断面・湾曲集成材に対応している機械として認知されていたフンデガーPBAに大版CLT加工機としての能力があることと判明したことで白羽の矢が立ち、多くのCLTパネル製造業者に採用されていきました。

しかし、欧州におけるCLT需要の拡大は留まることを知らず、大規模工場ではCLT生産ラインの最後にこのPBAを1台ではなく2台、3台並列に使うことが当然のようになっていきました。しかし、それでも増える加工点数により、CLT生産ラインの生産能力は最後の加工機がボトルネックと言われるケースも出てきました。

それ悩みを根本から解消したのがCLTトリミングマシン「UFA(ドイツ語読みでウーファ)」です。CLTパネルの生産ラインではラミナを直交させて積層した後プレスを行いますが、その時はまだ貼りっぱなしの状態でパネルとして直角や寸法が出ていません。その為、開口部や配管用の穴、接合部の加工等を行う前に、必ずPBAのような門型CNC加工機で成形加工(トリミング)を行う必要があります。それを従来はそれらの門型加工機で四方の面を取ってから、他の加工を行っていました。しかし、UFAがPBAの前に位置することで、作業工程を分けることが出来、なおかつ門型加工機では裏面の加工が出来ないので、片面加工した後、180度反転して再加工する必要がありました。UFAはその下面の加工も行ってくれます。これにより、加工効率が劇的にアップしました。大規模工場ではUFA1台に対して大版CLT加工機PBA並列2台、小幅CLT加工機としてロボットドライブやK2シリーズの1300仕様を並列配置することで、加工の分業化が可能となったわけです。

また、小中規模のCLT加工工場ではテーブルを直列に並べてつなぐことで、1台のPBAでも加工するエリアと加工前/加工済みCLTパネルを出し入れするエリアに分けることで効率よい加工も実現しています。

CLTプレカット

製品紹介

CLTプレカット

大断面湾曲材加工機PBA/PBAインダストリー

欧州及び北米のCLT工場で圧倒的支持を受けているフンデガーPBA、及びその上位機種であるPBAインダストリー。「道が車を育てる」という言葉が自動車業界にはありますが、旺盛なCLT需要が機械を育てたと言えるのがこのPBAシリーズです。CLTの加工が盛んなオーストリア、ドイツ南部辺りでは1時間程度のドライブ圏内にPBAを導入している工場をいくつでも見つけることが出来ます。大版CLT加工機として世界シェアNo.1を誇っていますが、その理由のひとつは「CADから加工に入るまでのステップが早い」こと。欧州の他の門型加工機が採用しているBTLフォーマット対応機と比較するとその違いは明らか。トータルの生産性に大きな差を生むことが高いシェアを誇る理由の一端と言えます。

CLTプレカット

CLT成形加工機UFA

CLTパネルの生産工程を最適化し、トータルでのライン生産能力を高める目的で開発され、業界大手のストラエンソ社やビンダーホルツ社などに採用されています。独自の重切削ノウハウにより、大きな端材が出てしまう丸鋸ではなく、替刃式カッターで左右同時に成形加工を行うことで生産性を高めています。オプションで床パネルのつなぎに必要な溝加工も同時に加工可能。下面の加工も行っておくことで、CLTパネルの反転再加工工程を省くことに成功しています。

CLTプレカット

構造材加工機ロボットドライブ

CLTプレカット

構造材加工機K2インダストリー

ロボットドライブ及びK2インダストリーは最大300×1300までの小幅CLTの加工が可能です。主に床パネルや屋根パネル、平柱的に使用される壁パネルの加工機として高い加工能力と生産性を誇っており、材料の反転なくすべての面の加工が出来るのが門型CNC加工機やバキュームテーブル式加工機との大きな違いになります。

国内におけるCLTパネル同士の接合部の加工は未だ試行錯誤段階とも言え、様々な加工バリエーションに対応することが求められています。K2インダストリーの木口から650mm(オプションで1250mm)の長穴をあける加工だけでなく、共通して加工可能な端部スリット加工、各種彫り欠き加工、大きく溝を取る重切削加工、CLTパネルに直接かかる梁や柱等のオープン金物やほぞパイプ、柱脚金物から在来工法の蟻メス加工など、一般的なCLT加工機では難しく加工も手間なものに対応出来ることもこれら両機の大きな特徴と言えます。

一方、設計する側にご考慮頂きたいのは、小幅CLTパネルを使うことによる加工コストや搬送コストのメリット、対応出来るプレカット工場数です。小幅CLTパネルの加工に対応しているフンデガーユーザーは北海道から鹿児島まで各地方に点在していますので、CLT使用のハードルを下げることが出来ると言われています。

合板加工機

合板加工機SPM-2

構造用パネルとしての用途が注目されがちなCLTパネルですが、実は薄型CLTパネルを活用した内装材や階段材、造作パネルや家具なども様々なアイデアで生まれてきています。 大版CLTパネルの加工機では薄いパネルをうまく扱うことが出来ず、住宅プレカット用の合板加工機では出来ることが限られています。パネルソーや手加工では生産効率も悪いのは間違いありません。フンデガーのSPM-2はCAD/CAMでの運用を可能としており、様々な加工ユニットや刃物を持てることから、薄型CLT以外のパネル材の加工機として兼用出来るという特徴を持っています。